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要素のうち5つは、さまざまなサブゴールに密接に関連した目標を持っており、環境教育のために重要である。

 

?@ 測定
環境教育に最も頻繁に使われる数学の一つが測定である。測定によって子供達に環境を調査させるのは自然である。たとえば、天候に関する測定は、すべての学年レベルで行なうことができる。これらには、温度、降水量、湿度、風速などがある。長さ、面積、体積の測定も、
樹木など自然の物体に応用することができる。樹木の直径や高さを割り出すのには、間接的な測定方法を使用することができる。湖の水量や川幅の測定では、推定を行なうことができる。

 

?A 幾何学
自然界の物体は、それらのだいたいの幾何学的な形の程度にしたがって描写することができる。幾何学的な形の測定値の特性は、自然界の物体の大きさを推測するのに使うことができる。たとえば、氷河底面のやかん底状の形状は幾何学的に半球に似ているので、半球の特性を知っていればこうした窪みの説明にも応用できるだろう。傾きの概念は面の説明に応用できるかもしれないし、面の傾きを決定する技術を調べることもできる。ピタゴラスの定理は多くの間接測定に応用できる。

 

?B 計算及び代数
計算及び代数は、環境の数量的な調査に使うことができる。水の流れによって起きる侵食は年間のインチ数で推定でき、その推定値は5年間、50年間、500年間にわたる土壌の損失量の予測に使うことができる。地域社会に必要なエネルギーの生産量は歴史的に決定された年間の平均消費率に基づいて計算される。

 

?C 統計
統計は環境の調査にしばしば使われる。野生生物の数および移動は生息数の中から一定のサンプルに標識を付け、それからサンプルの動物を再発見する後日の調査によって調べられる。統計的な調査は危機に瀕している種を絶滅の前に発見するためにしばしば用いられる。また、生息数の増加を予測し、環境がある一定の生息数を支え得る能力を推定するのにも使われる。グラフは、環境についての統計的情報を伝えるのに使われる。表4−1は、統計の目標例の簡単な説明と、関連する環境教育のサブゴールとをまとめたものである。

 

 

 

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